江戸時代にタイムスリップ
江戸時代の深川を舞台にした、6つの短編です。
ハッピーエンドあり、シビアな話ありで、でも、読後感が妙に爽やかで飽きません。
恋物語といっても、あまり生々しくなくて、
描写が丁寧なので、簡単に江戸時代にタイムスリップできます。
実際はどうかわからないけど、江戸時代ってこんなふうだったのかなーて思いましたよ。
等身大の人間を描いた時代小説
6話からなる短編集だが、冒頭の「下駄屋おけい」が良かった。佐賀町の大店の娘が、向かいにある下駄屋の職人彦七の下駄を愛用している。履物問屋に嫁ぐことが決まって、最後に下駄を誂えるのだが……。ハッピーエンドの読後感が爽やかで、残りの5話も読みたくなる。書名に相応しい仕上がり。
私が気に入ったのは、第5話の仙台堀。優柔不断で自分の思いをはっきりと口に出せない手代の姿が、実在する等身大の人の姿として力みなく描かれている。何やら切ないラストに哀愁を感じた。
全体的にはストーリーの構成がしっかりしていて、人物や江戸風俗がきちんと描けている。時代小説として充分に堪能できる作品集だ。
ストーリーにも味のある6編
江戸深川を舞台にした下町人情ものの短編集で、吉川英治文学新人賞受賞作。
いずれの作品にもヒロインが登場し、女の心を描く宇江佐さん独特の筆致である。
中には駄作かな?と思う作品も含まれているが、概してストーリー仕立てがうまく、読者を飽きさせない。
特に『凧、凧、揚がれ』は絶品。
また『狐拳』は、油断して読んでいると「あ、そういうことか」と意表をつかれる話の展開で、してやられた印象。
まさに珠玉の短編集!
いずれもが江戸の深川を舞台とした、恋愛にまつわる6編からなる市井ものの短編集で吉川英治文学新人賞受賞作です。とても、よくまとまった短編集と言えそうで、中には意外にもハッピーエンドじゃないものも含まれていて驚きましたが、却って印象深く心に残りました。当時の人々の葛藤して生きる様を見事活写しています。東京在住の方が読まれたら地理感もあってもっと実感が湧くかなあと思ったりもしました。 下記の2編が特に良かったです。 ★「凧、凧、揚がれ」 凧師の末松は子供好きであり、子供を家に来させて凧作りを指南していた。当時、女の子が凧を造る風習はなかったが、次男の正次の奉公先の娘おゆいが凧造りをしたいと願ってきたので引き受ける。おゆいはなんと“西瓜”の絵の凧を揚げ!たがった・・・ 宇江佐さんらしくない展開で、とっても印象的です。なんといっても、ラストで末松と正次が凧揚げをするところがとってもいいです。 ★「孤拳」 おりんは、夫の連れ子である新助を実の子以上に可愛がっていた。というのも、自分自身に後悔すべき過去があるからだ。新助の為に、吉原・大黒屋の振袖新造である小扇を落籍して嫁に迎えようとするが、小扇は女中でいいと言ってると聞く。おりんは小扇に会いに行くが・・・ これは、今まで読んだ宇江佐さんの短編の中でベストかなあ。最後は本当に熱くなりました。 親子愛、本当にいいですねえ。
集英社
斬られ権佐 (集英社文庫) 雷桜 (角川文庫) おちゃっぴい―江戸前浮世気質 (徳間文庫) 銀の雨―堪忍旦那為後勘八郎 (幻冬舎文庫) 余寒の雪 (文春文庫)
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